コラム
『化粧品OEMナビ 』のサイトに掲載2012.5.17(投稿日)
「ロイヤル客」を早く育てるコミュニケーション術

『「ロイヤル客」を早く育てるコミュニケーション術』

※このコラムは、『化粧品OEMナビ – 化粧品を製造するならコレダBANK』のサイトにも掲載されております。
https://www.coreda-bank.com/static/forlady/detail09

 

化粧品通販ではマス媒体などで大量に獲得した「見込み客」を、いわゆる「ロイヤル客」へと育成していくことが、ビジネスを成功させる重要な要素である。そのために見込み客を、本品購入の新規顧客に引き上げ、2回目購入のリピート客を経て、購入頻度・購入金額ともに高い「ロイヤル客」に引き上げていくのである。

今回は、いかに早くロイヤル客を育成していくか、そのコミュニケーション内容について述べたい。

 

■お客様との、コミュニケーションの役割

 

マス媒体広告やインターネットのバナー広告を入り口として、お客様から最初のコンタクトを得ると、通販化粧品会社にはお客様の名簿が残る。お試し商品の場合は、「見込み客名簿」であり、本商品の場合は「新規顧客名簿」ということになる。我々通販化粧品をビジネスとする者にとって、この名簿は「宝の山」となる。

 

来店を待つしかない店頭販売とは異なり、どんな方法であれ、お客様と直接コミュニケーションが可能となることは、通販化粧品会社の「財産」と言えるだろう。お客様名簿が獲得できるということは、そのお客様へのアクセスのタイミングも、アクセス方法も、情報内容も、われわれ会社側が選択できるということになるからだ。特にタイミングのイニシアチブを取れることは大きな意味がある。いつ、どのような情報をお客様に届けるか、あるいはどんなお客様に、どのように購買マインドを刺激できるか、自分たちで設計できるということになるからだ。

 

もちろん店頭販売の美容部員さん達のきめ細かな、1人ひとりのお客様の肌に直接触れたアドバイスも、値千金である。通信販売では、「直接接客できない」ことが欠点とされてきたが、最近では、コールセンターのオペレーターさん達も研究を重ね、ヒアリング能力、アドバイス能力ともたいへん高いレベルになってきている。

そのようにお客様とのコミュニケーションが円滑にできる理由は、単にコールセンターの会話力が高いということだけではない。ほとんどの通販化粧品会社は出会いのタイミングに応じて、お客様の関心を引き付ける様々な販売促進策を設定している。その販促策がお客様との会話の糸口になったり、購入の背中を押してくれる材料になっているからだ。

 

しかも、このタイミングでなければ、享受できない販促策になっているのがほとんどである。お試しセットやサンプルによってアクセスしてきた「見込み客」を、本品購入の「新規顧客」へと引き上げるためには、タイミングにぴったりの、そしてこのチャンスを逃さない、お客様の関心事にジャスフィットする販促企画策が不可欠なのである。

そして次は最初に購入した商品のリピート購入、あるいは他商品とのクロスセル、あるいは定期購入へ引き込む方法である。様々なルートへお客様を誘うには、誘引する商品としての整合性、合理的理由など、お客様を納得させるだけの情報が必要である。

 

そして最終的には、年間購入金額や購入の頻度が高く、浮気をしない「ロイヤル客」へと育成する。商品だけでなくブランドや企業のファンとなっていただき、強い信頼関係を構築し、長く安定したお付き合いが醸成されるお客様になっていただく。そのためには、お客様に多く購入する機会を持っていただき、何度も繰り返し購入することで、「ロイヤル客」になってもらうのである。それは、お客様からみても、製品の品質による信頼感だけではなく、かゆい所に手が届くような密なコミュニケーションが継続的に行われた結果、築かれる信頼で育まれるものである。

 

 

■お客様に役立つ「情報」の伝え方

 

通販化粧品会社からお客様に情報を発信する場合、いくつかのポイントがある。

 

その1つは、前述したような、お客様との出会いをスタートとした時系列のポイント。サンプルの使用後、本品の購入前、本品購入後、リピートし始めて数ヵ月後、などさまざまなタイミングがある。これは例えば商品は使ってみたがブランドスイッチのキッカケがつかめない時期、また商品の効果に慣れ、新鮮味を感じなくなっている時期などお客様の気持ちを読んで、情報内容を考えることが大切である。

 

2つ目は、ブランドスイッチを促しやすい季節の変わり目。四季のある日本は、季節変化にあわせたお手入れの提案も可能になる。春先に送るコミュニケーションツールと夏の終わりのものが同じ内容で良いはずはない。季節ならではのお肌のお手入れ情報を盛り込むべきだろう。

 

3つ目は、女性たちの年齢に応じた肌の変化に対応して、必要となる美容情報を提供すべきだろう。

また、多種多様な美容情報・商品情報は、それぞれ「見込客」「ライトユーザー」「ヘビーユーザー」など、通販化粧品会社とお客様の関係性、距離感に応じて、最適な方法で伝えられるべきだろう。

 

1人ひとりのお客様とのコミュニケーションは、このように私たち企業との付き合いの深さ、季節感、お客様の年齢などによって、様々に変化する。いかに商品が優れていても、商品の素晴らしさを連呼するだけの押し付け情報や、バリエーションの少ないコミュニケーションではお客様の購買マインドは動かない。情報内容と情報提供のタイミングを見計らい、「いつ必要なのか」「なぜ必要なのか」「なにが必要なのか」という、お客様自身の気づきを演出することにより、お客様の理解を深められる。お客様の「ロイヤル化」とは、そのような企業側の努力の結果、育成できる「安定的なファン」づくりのことである。

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