先ごろ日本通信販売協会から発表された2012年8月度の通販総売上高は、全体で前年同月比1.1%増であったが、化粧品に絞ると前年同月比7.2%減と、依然厳しい状況が続いている。
そんな中、通販化粧品各社は、売上アップを図るため、まとめ買いを促す割引キャンペーンや新商品を次々に投入するなど、様々な施策を行っている。
しかし、それらの施策だけでは、短期的な売上げ回復は望めても、長期的な売上げが見込める商品や企業の“本当のファン“を育成することはできないのではないだろうか。
スカルプケアで注目されているアンファーは、既存商品の使用感・効果をさらに向上させた8代目となる「スカルプD」を今年4月にリニューアル発売。
また、再春館製薬は37年間で計6回改良を重ね、2011年10月に「“進“ドモホルンリンクル」として基礎7点をリニューアル発売した。
この2社に共通してみられるのは、商品数は極力増やさずに、既存の商品の改良を重ね、「ブランドの商品価値を高めている」ということだ。
これこそ、商品力に基づいた本当の顧客育成ではないだろうか。現状の商品に甘えることなく、市場の変化をくみ取り反映した改良品を出していくことで、お客様により良い商品をお届けでき、新鮮さを与えることもでき、結果、お客様との間に信頼関係や絆を生みだすことができる。
新規参入が相次ぐ通販化粧品市場において、長年のお客様はもちろん、新たなお客様に対しても、企業の顔である商品を磨き上げてきた「歴史」そのものが、信頼を与え、共感を得る大きな「価値」になってきているのではないだろうか。
私たちも、機能売り・キャンペーン売りばかりに頼らずに、商品の価値を高める広告制作を心掛けて行きたい。