「週刊粧業新聞」 1月14日号に、代表取締役 鯉渕の『激変するコスメマーケット 第8回 徹底して、団塊世代に絞り込む!』が掲載されました!
本文は、下記の通り。
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『激変するコスメマーケット』
第8回 徹底して、団塊世代に絞り込む!
シニア向け化粧品の市場が拡大していることは、
1年前にもこのコラムで取り上げた。
ますますその傾向は強まり、
今も数多くのシニア向け化粧品が発売されている。
国内で唯一拡大が見込める有望市場のため、競合も激化する一方だ。
そこで、今回は競合に差を付ける有効な手段について考えてみたい。
私がお勧めしたいのは、徹底してターゲットを絞り込む作戦。
それも「団塊の世代の女性たち」に狙いを定めてはどうだろう。
団塊の世代とはご存知の通り、昭和22年~24年生まれの世代のこと。
この3年間生まれの女性は、今63歳~65歳になる。
彼女達は、これからの化粧品マーケットでは、たいへん大きな存在となる。
今後10年間唯一、化粧品需要が大きく伸びる国内マーケットだと言ってもよい。
これからエイジングケア商品を展開するなら、
団塊の世代に絞り込んだマーケティングをお勧めしたい。
高度経済成長とともに青春時代を過ごした団塊の世代は、
その前の世代と明らかに価値観が異なる。
特に女性たちは、日本で初めて高学歴となった人たちである。
そのため考え方は合理的で、育った環境からアメリカ的な正義感も強く、
何よりも、家に閉じこもった“奥様”ではなく
“外様”と言われるくらい活動的な中年時代を過ごしている。
そして今60代中盤を迎えた彼女達は、
豊かな退職金や子育てからの解放など、ライフステージが落ち着く時期。
全世代の中でも貴重な「ゆとりある世代」といえる。
価値観に応じた、合理的で賢い消費行動が基本となるため、
選別眼はシビアなものの、自分が気に入った物は迷わず買う。
同時に、様々な意味で“自分磨き”を怠らない。
だからカルチャーセンターは彼女たちで大盛況だ。
その積極性に起因するのか、
いつまでも若々しくいたいという願望も強く、
エイジングケア化粧品に対する関心度は抜群に高い。
そんな「アクティブシニア」の団塊の世代は
「友達ネットワーク」が非常に発達しているのも特徴的で、
誰かが良いと判断したものは、
スピーディーに口コミで仲間内に広く伝わっていく。
この世代にファン組織を形成できると
一気にブームが広がる可能性も秘めている。
では、そんな団塊の世代の女性達に、どういったアプローチが効果的なのか。
第一に、彼女達は自分に自信を持っている事を忘れてはいけない。
自分のことを「まだ若い」と信じているので、老人扱いすることは厳禁。
30代後半~40代中盤のテイストに、
高級感と落ち着きをプラスしていく程度と考えるとよい。
ただし、意識は若いが、体の衰えは避けられない年齢なので、
細かい文字や長文の情報は彼女たちを疲れさせ、飽きさせてしまう。
情報を詰め込みすぎず、かつ、洗練された“おしゃれ感”が不可欠なのだ。
また、様々な悩みの解決法を知りたいのに、
情報が不足している現状も何とかしてあげたい。
丁寧な解説や肌悩み解決方法など、
彼女達が望む情報をしっかり、わかりやすく伝える事が必要になる。
もちろん知的で合理的判断ができる人たちなので、
それに対応した説得力のある情報も不可欠と心得たい。
聡明でシビアな団塊世代の女性達の心を掴む製品ができれば、
シニア世代向け化粧品は必ず成功するだろう。
ぜひともチャレンジしてもらいたいと思う。