コラム
「日本流通産業新聞」 7月21日号掲載2016.7.21(投稿日)
基礎講座Q&A vol.35 「Q.新規顧客開発が低調です」

「日本流通産業新聞」 7月21日号に、代表取締役 鯉渕の『強い通販化粧品会社になるために 基礎講座Q&A vol.35「Q.新規顧客開発が低調です」』が掲載されました!

本文は、下記の通り。

 

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Q.新規顧客開発が低調です

最近1~2年ほどまったくと言ってよいほど「新規顧客獲得」が低調です。

CPR、 CPOともに数年前の2~3倍のコストがかかります。

同時に新規顧客を獲得しても、リピート顧客として継続購入してくれるのは、

本当にわずかなお客様です。

このままでは事業拡大は難しく、規模を維持するのも難しい状況です。

(中堅化粧品通販会社)

 

 

A.通販化粧品の“新規顧客”はもう存在しないと考えるべきです。
 

◆お客様からチェックされています!

最近、通販化粧品を購入したことのあるお客様へのインタビューを行うと、

驚かされることがあります。

 

通販化粧品が一般化して手軽に利用できるようになった半面、

1人のお客様がいろいろ比較するように様々な会社の化粧品を取り寄せて試しているのです。

お試しセットだけでなく本商品を2~3回購入しても、まだ「試している」らしい。

 

つまり本当に自分に合った化粧品かどうか探っている状態という訳です。

そして自分の肌悩みに効果があるかどうか実感値で探り、自分の好みのテクスチャーか、

自分のお手入れ習慣に合うかどうか、サービスは他社より優れているか等々、

様々な面からチェックして、本当の「お気に入り」を探しているのです。

 

そんな状況であることを聞くと、通販の「新規顧客」というのは

もはや存在しないのではないかと思えてきます。

こちらが新規顧客と考えているお客様は、他社で満足せず離脱してきたお客様なので、

中途半端な商品やサービスでは満足しないお客様たちです。

いわば「高度にジプシー化」しているのです。

そんなお客様を満足させて、本当に固定客として継続購入してもらうためには、

他社と同じようなお客様対応では、相手にもされません。

 

必要なのは、他社と圧倒的に差がある「オリジナル性のある明確なコンセプト」と、

それを納得させる「感動的なサービスがある」ということになります。

 

◆量ではなく、質の競争に突入した!

そのように考えると、通販化粧品の量の競争はもう終焉して、

新たな質の競争に突入したと考えなければならないのではないでしょうか。

 

テストを繰り返した効率の良い広告をマス媒体に大量に投入してお客様を集める

「投網方式」の新規顧客開発手法は、一時的には新規顧客名簿を集められても、

結局は離脱も早い大量の休眠顧客を生み出してしまい、事業は自転車操業になってしまいます。

 

何しろお客様は2~3回購入してもすぐには「本気のファンにはなってくれない」のですから。

そうすると1人ひとり丁寧に自社ブランドに合うお客様を見つけて、

長く使い続けてくれる固定客になってもらう戦略の方が、安定経営のためには有効なのではないか?

これがつまり通販化粧品は、

量の時代から質の時代に本格的に転換したと言えることではないかと思います。

 

◆どんなお客様のための化粧品か? もっと明確にする

質の時代に相応しい新規顧客開発のスタイルは、まず自分のブランドの目的や個性をはっきりさせて、

自らお客様を選別するようなコンセプトを打ち立てることが必要です。

顧客ターゲットを狭くすることで繁盛店になっている店舗のように。

 

また量の販売時代のように規模の拡大を追い求めず、

圧倒的に支持してくれる熱いファンを作ることを目的にすべきでしょう。

1人ひとりのお客様情報は、その特徴を詳細に理解して販促施策を組み立てる必要もあります。

 

そんなお客様を集めるための「新規獲得」は決して投網方式ではなく、

想定するお客様のアクセスしそうなメディア、場所、グループ等に接触する

極めて小さなサイズのアプローチではないかと思います。

時には社員が自ら口コミ発信をしたり、お客様イベントで同調者を募ったり、

これまでとは異なった方法で自社の考え方に合う顧客開発パターンを見つけなくてはなりません。

 

そういう顧客育成を可能にするためには、

発信する側も化粧品やサービスのプロでなくては、お客様に見透かされてしまいます。

 

つまりこれまでの通販化粧品のビジネスモデルが変化しつつあるということなのでしょう。

そのためこれからはビジネスモデルの構造そのものも

変化させていかなければならないのではないかと思います。

 

 

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