私は小さいころからずっと乾燥肌。
ひどい時は顔中真っ赤に腫れ上がるほどで、そうなると外出するのが嫌で仕方ありません。
誰かと会う時は、「こんなひどい顔をお目にかけて申し訳ない」とすら思うなど、
自虐的になるくらいコンプレックスです。
そんな筋金入りのカサカサ肌ですから、常に潤いを求めて化粧品をチェックしています。
ヒアルロン酸やセラミド、アミノ酸など、成分訴求で売り出す商品は数多く、
一時期は新しい成分の流行にいちいち反応して試したりしていました。
でも、成分訴求商品乱立時代を経て最終的にこう思いました。
「結局どの成分も『保湿』『潤い』『しっとり感』とうたっている。
でも、成分が違えば働きや効果も違うものではないか。
どの成分の保湿効果が一番優れているかということではなく、
肌の状態やお手入れのステップによって使い分けすべきなのでは」と。
でも、一般的に広告宣伝や美容記事として出ている情報は、
「乾燥肌には保湿、保湿に良いのはこの成分!」ということまでで、
それ以上深堀りしているものは多くないようです。
追及していくと成分や肌機能の専門的な話になり、一般的に理解されにくくなるからでしょうか。
そこで私が思うのは、「化粧品成分ソムリエ」みたいな人が身近にいればいいのに、ということです。
美容部員やコールセンターの担当者は、まさにそういう役割を担うべき存在。
でも、残念ながら、成分の細かい使い分けまでわかりやすく説明してくれる人にまだ会ったことがありません。
自社商品に使われている成分が「保湿に良い」ということは説明できても、
他の保湿成分との違いと使い分けまで追求すると、
言葉をにごしたり話が変わったりしてしまうこともしばしばです。
消費者としては、化粧品のプロに
「この商品に配合されているこの成分が、あなたのお肌のこの状態に良いですよ。
化粧水に適しているのはこの成分で、クリームに別の成分が入っているのはこういう理由だからなんです」と、
もっと専門的かつパーソナルなアドバイスをして欲しいのです。
これは、私が化粧品業界に身を置いているためにそう思うだけではない気がしています。
肌悩みが深刻な人なら誰だって、より良い化粧品を求めていろいろ調べているものです。
情報量も多い時代だからこそ、消費者のレベルがボトムアップされていて、
プロに求めることもどんどん分化され、専門化されてきているのではないでしょうか。
そのような消費者のニーズに応えるために努力が必要なのは、
メーカー毎の美容部員やアドバイザーだけではありません。
小売業の現場全体で、様々な知識を持ったコンサルティングができる人材が求められていると思います。
(N・T)