ポーラから、化粧品業界で初めてシワを改善する医薬部外品の認可を受けた
『リンクルショット メディカル セラム』が1月1日に発売され、話題を呼んでいます。
これまでのシワ対策商品は、
化粧品であるため「乾燥による小ジワを目立たなくする」という角層レベルでの
表記にとどまっていたなかで、
「成分が真皮層に浸透し、シワを改善する」と表現できているところが目を引きます。
美容医療でしか治せないと思われていた、シワの悩みに光が差すとあって
美容界では発売前から大きなニュースとして駆け巡っていました。
美容トレンドを振り返ると、パーツケアアイテムに関しては
数年前からブームが続き、今も衰えていません。
かつて外資系ブランドが得意とした、ミニローラーつき目元美容液はその走りで、
最近では「SK-Ⅱ」の『R.N.A.パワー アイ クリーム ラディカル ニュー エイジ』が
美容各誌で取り上げられ、「たるんだまぶたが上がって目が大きくなった」と、
年齢が出やすい箇所の確かな若返りに感動した、という声が紹介されていました。
目元以外にも、ジャパンコスメブランド「THREE」からは、
顔の中心を通る正中線をすっきり見せるためのマッサージ用オイル美容液や、
リップ専用化粧水が発売されています。
また、高価格帯ドライヤー、白髪染め、育毛剤など、
女性向けヘアケア商品全般がこのところ活気づいているのも
“パーツケア旋風”を支える一つなのではないでしょうか。
こうしたブームを支えているのは、
自分の顔や身体を観察したとき、部分的な衰えに目がつくことが要因としてあげられます。
また、人が他人の印象を決めるパーツは目元や口元であるとうたい、
共感や気付きを得る販促手法がよく使われていることにも注目したいです。
パーツケア旋風を身近に感じたエピソードとして、
ふだん美容にさほど熱心でない母(70代)や姉(30代後半)が、
「ポーラ」の『リンクルショット メディカル セラム』の広告を見て
購入を検討しているのを知って驚きました。
話を聞くと「目元のシワ、法令線が消えることはないでしょうけど、
少し良くなるだけで年相応に若々しくなれそう」とのこと。
女性のパーツケアへの興味は、
年齢や美容意識のレベルに捉われないのかもしれません。
とすれば、顔の見えない通販化粧品にはうってつけの商材だといえます。
万人に受けそうな商品や販促で浅く広い反響を狙うのではなく、
個性を尖らせることで深いリピーターを育てることができます。
飽和状態になりかけている化粧品の商品開発、販促追求において、
新しい視点を開拓するヒントにもなりそうです。
(K・S)