「日本流通産業新聞」 9月7日号に、代表取締役 鯉渕の『強い通販化粧品会社になるために 基礎講座Q&A vol.● 「Q.創業から10年目、最近停滞気味なのですが、何か打開策はありますか?」』が掲載されました! 本文は、下記の通り。
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Q.創業から10年目、最近停滞気味なのですが、何か打開策はありますか?
化粧品通販の事業をスタートさせて10年目の会社です。
これまでは無我夢中で走ってきてやっと固定客もつくようになり
少しほっとしたところです。
しかし最近、新規顧客もなかなか思うように獲得できず、
離脱客も多くなってきて勢いがなくなってきているように感じています。
何か打開策は無いでしょうか?
(中堅の通販化粧品会社)
A.原因は“組織の内部”にあるのでは?
◆お客様の声に耳を傾けていますか?
最近、中堅の通販化粧品会社様で、創業時の勢いがなくなり、
「やや停滞気味」とおっしゃる会社様が多くなったように思います。
その理由としては、通販化粧品ビジネスの競合状態が激しくなり、
差別化が難しくなってきているため新規顧客獲得が難しくなっていることがあげられます。
またお客さまも様々な商品を次々に試して「ジプシー化」しているので、
固定客化が難しいことも原因の1つと考えられます。
しかし伸び悩んでいる会社様によくよくお話しを聞くと、
幾つかの共通点があるようです。
まず第1に問題点と思えることは、
お客さまの声を徹底して聞く体制(システム)になっていないことです。
注文してくださった時のヒアリングも十分でないため、
何の目的で買ってくれたかという理由や、
お客さまの肌悩みも理解できていないこともあるようです。
またその後のお手入れの状況やご不満、ご意見等を徹底して集め、
データ化して業務に活かすことがきちんとできていないようです。
これではお客さまの肌悩みに「寄り添う」ことはできないはずですし、
様々な改善策も出てこないはずです。
◆思い込みが多くチャレンジしていない?
2番目に問題だと思うことは、
お客さまは日々新鮮な情報に触れて、
新しいお手入れ方法等に関心を示しているのに、
会社側が過去の成功体験や思い込みに固執して、
新しいチャレンジが出来なくなっているのではないでしょうか?
会社も創業から時間が経過すると、
組織体制が整ってくることと相反して、
個々人の発言や発信が少なくなり、
「効率」や「数値」重視の仕事になっている場合が多いようです。
そうなると新しいアイデアが次々に生まれるような環境ではなくなります。
過去の「思い込み」が支配して、
お客さまから見ても新鮮さのない会社になってしまいます。
◆ベンチャーなのに大企業病?
そのような状況が長く続くと、
本来はベンチャー企業だったはずなのに、
「やらされ感満載」の仕事ぶりになり、
大企業病のように業務内容を「他人事」と考える人が多くなります。
本来通販化粧品会社は、
商品開発、新規顧客開発、リピート育成、販売促進、システム開発、
フルフィルメント、カスタマーセンター、マーケティングなどの各部門が、
フル稼働してそれぞれの役割を果たすことで、
役割分担のピースが埋められ、完成していくはずなのに、
部門ごとの連携も取り難くなくなります。
停滞感や業績の悪さは、決して市場環境のせいばかりではありません。
通販化粧品は少し大胆に言えば、
ある意味「きれいになる夢」や「思いを売るビジネス」なのに、
提供側が「思いを共有できる組織」を作れないのでは、
低迷するのは当たり前だとも言えます。
関わる人々の「思い」を1つにして邁進する組織ができれば、
おのずと停滞感は払拭できると思います。