「日本流通産業新聞」 3月8日号に、代表取締役 鯉渕の『強い通販化粧品会社になるために 基礎講座Q&A vol.46 「Q.お客に会えない通販のハンディをどう解消すべきか」』が掲載されました! 本文は、下記の通り。
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Q.お客に会えない通販のハンディをどう解消すべきか
スキンケア商品もメイクアップ商品も販売している通販化粧品会社ですが、
お客さまに直接会うことができないために、
特にメイクアップ商品などの開発にはたいへん苦労しています。
社員が簡単にお客さま像をイメージできるような方法はありませんか。
(中堅の通販化粧品会社経営者)
A.顧客と似てくる社員 よく観察してみて
◆各社の○○風メイクには個性が出る
多くの化粧品会社と一緒にお仕事をさせていただき、
各社の女性社員の方々と会う機会が多くなると、
会社ごとに“キレイ”の方向性の差があることに気がつく。
もちろん化粧品会社の社員はキレイな人が多いが、
メイク方法だけではなく、○○風、△△風と
会社によって微妙な差があるように思う。
特に店頭販売をメインにしている会社の場合は、その差が大きいようだ。
一方通販化粧品会社の場合は、
メイクを取り扱っていない会社も多いので、
それほど大きな差は出ないはずだと思い込んでいた。
ところがお客さまのグループインタビューを多く実施していると、
これもまた会社ごとに、
お客さまにも、社員にも微妙な差があることに気がついた。
まずは、「美容意識」の差。
大手通販化粧品会社で、さまざまな肌悩みのラインナップを
そろえている会社の場合は一概に言えないし、
売り上げ規模の多いメイン商品はコモディティ型商品になりがちなので、
個性が際立ちにくい。
しかし中堅規模の通販化粧品ブランドの場合は、
確実に「美容意識」の差が明確に現れる。
◆通販化粧品はグルーピングしやすい
たとえば新規獲得の入り口を絞っている場合、
新聞広告なら「シニア層で新聞を読む知的レベルが高いお客さま」チラシ、
インフォマーシャルは「もっと身近で、親しみやすい印象の庶民派」、
スマホは同じ中高年でも「よりアクティブな仕事もしている活動派」などとなる。
これに肌悩みの訴求が加わると、
同じ美容意識でももう少し細分化されたイメージの意識タイプでまとめられる。
ところが会社側が新規獲得のメディアも、
訴求の肌悩みも明確に絞っておらず、
単に価格訴求のみで販売していると、
お客さまは美容意識もバラバラで、
コスメジプシーのような人たちが多く集まってくる。
◆ロイヤル顧客は考え方も近い
さらにリピート客になると、
お客さまはもっと会社の考え方に近くなる。
成分や原料の効果効能を強く打ち出している会社の場合は、
お客さまも成分などに詳しくなっていくようだ。
かっちりとした真面目な情報発信をしている会社のお客さまは
やはり真面目な人が多い。
美容意識が高く、さまざまな美容方法を試した末にたどり着くような
人知れず人気のブランドの場合は、
いわば美容オタクが多く集まる。
忙しいキャリアウーマンを対象にしたような商品のお客さまは
やはり働いている人が多い。
こんなふうに、通販化粧品会社の場合は、
集客の方法やその後のコミュニケーション内容によって、
育成されるお客さまタイプが異なってくるようだ。
◆社員とお客さまは似てくる?
そして最近気がついたもう1つのポイントは、
通販化粧品会社の社員とお客さまは「少しずつ似てくる」ということだ。
弊社ではお客さまのグループインタビューの後に、
社員さまにも「全員アンケート」や「ディプスインタビュー」をお願いしている。
そこで気がついたことは、
お客さまと社員は「似る」ということだ。
美容意識が高い社員が揃っているとお客さまも少しずつ美容意識が高くなり、
コンセプトが不明確で値引き販売ばかりしているような会社の社員は、
意識もバラバラでまとまりがなく、お客さまも同様だ。
ロイヤル顧客づくりは、いわば「仲間づくり」なので、
運営している会社の社員と似てくるのは当たり前といえば当たり前だ。
そのように考えると、「会えないお客さまのイメージ」をつかむには、
自社の女子社員を「よく観察するにかぎる」かもしれない。
また、お客さまをロイヤル顧客に育成するためには、
自社の社員をきちんと育成して「ロイヤル社員」にできる力がないと
難しいのではないかと思ってしまうのは、
私の思い過ごしだろうか。