「日本流通産業新聞」8月30日号に、代表取締役 鯉渕の『〈2018 DMフェア〉セミナーダイジェスト』が掲載されました! 本文は、下記の通り。
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【〈2018 DMフェア〉セミナーダイジェスト】〈講師/フォー・レディー 鯉渕登志子代表
「通販化粧品~伸び悩みからの脱却作戦~ 100億の壁を破って飛躍するための戦略とは」【中編】〉/顧客の声を社内で共有全社員が触れる機会を
フォー・レディー(本社東京都)代表の鯉渕登志子氏は、4月に開催したダイレクト・マーケティング・フェア2018で、「通販化粧品~伸び悩みからの脱却作戦~100億の壁を破って飛躍するための戦略とは」と題したセミナーを実施、伸び悩む通販化粧品企業の現状を打破できる次の一手を指南した。中編となる今回は、社員に意識調査を実施する必要性や、リアルイベントを通じた顧客とのコミュニケーションについての講演内容を紹介する。
具体的なデータが重要
当社では、クライアントに対して、「広告内容の見直し」「商品開発の見直し」「商品の特徴を把握すること」そして「お客さまにお会いすること」を提案しています。
その上で、「いつどのようなDMを送付したか」「どのような結果が得られたか」「定期注文のシステムはどう運用されているか」「顧客の増減や年齢構成」といった、詳細なデータを分析して、売り上げアップの施策を練ります。
顧客の声が売上に
何よりも重視すべきは、顧客の意見です。現在売上高が数百億円に伸びている会社は、早い段階で顧客の声を丹念に集めています。
電話やウェブからお客さまの声を集めることもできますが、当社では、実際に会うこと、特に座談会の開催を提案しています。可能な限り、ライトユーザー、ロイヤルユーザーなどの顧客のタイプ別や、購入している商品別に、座談会を開催することも薦めています。
座談会では、顧客の肌を見たり、DMや広告の感想を聞いたりします。商品そのものに対する意見も聞きます。
離脱ユーザーに解約の理由を聞くのも非常に有効です。どの施策が届いていて何が届かなかったのかを知ることができます。
ロイヤルユーザーは自社の商品だけを愛用していると思われるかもしれませんが、実は他社でもロイヤルユーザーであることが往々にしてあります。そうした場合には、競合他社のサービスに関する情報収集も行えます。
ライバルは実店舗
それから、顧客を集める場合にはメークイベントや洗顔イベントなどを行うのもお薦めです。素肌を見ることができ、どういう顧客が集まっているのかを把握できます。
そうして集めた顧客の声を社内で情報共有するのも必要です。全社員が顧客の声に触れる機会を設けてください。
今後、通販化粧品は店頭販売の化粧品と熾烈な競争を繰り広げることになると思われます。化粧品全体、さらに言えば、女性が顧客の多くを占める商材全てにアンテナを張って、情報収集すべきだと考えています。
目標の可視化を
競合他社の業績の伸びや落ち込み、その理由まで徹底的に分析することで、自社の対策に生かすことができます。
また、社員たちが一丸となることも重要です。社員をファンにできなくては顧客の心をつかむことはできません。
当社に「売り上げを伸ばしたい」とご依頼いただいた際には、得意先の全社員にアンケートを実施することにしています。直接当社が回答を集める方式でアンケート調査を行っています。社員の正直な気持ちを調査しています。それだけで、社内の課題が見えてくるのです。
目標を可視化することが肝要です。期間を区切って達成目標を定め、マニュアル化することをお薦めしています。
店舗販売の化粧品業界は、150年ほどの歴史があります。しかし通販化粧品業界はまだまだ歴史が浅く、販売に携わるスタッフ育成のマニュアルも充実していません。
分厚く詳細なものを作る必要はなく、簡単なものでも大丈夫です。代わりに、きちんとスタッフの気持ちを反映しましょう。作っただけで終わるのではなく、いつでも更新できるようにしてください。
「ファン」を作る
顧客データも単に配送のためだけに使うのではなく、商品開発などの方向性を決定づけるデータだと考えましょう。
新規を取り込み、定期を継続させ、ロイヤルユーザーに育てる仕組みを数字とともに設定し、全社員間で目標として共有して進めていくことが重要です。そうして優れた人材が育てば、ビジネスがきちんと成立します。
そうすれば、50億の壁、100億の壁は、もはや壁ではなくなるのです。
私はさまざまな会社で顧客のグループインタビューの司会をしてきました。
どの会社でもロイヤルユーザーに共通しているのは、「その会社が好きだ」ということです。化粧品は通常、数年に1回リニューアルされます。「実は以前の商品の方が好きだった」という人でも「会社が好きだから」という信頼で継続しています。
そうしたファンを作るためには、「どのようにキレイになってもらうか」というメッセージをきちんと届けていくことが重要です。
(つづく)