コラム
社員コラム2018.10.19(投稿日)
「懐かしい」が購入意欲のスイッチを押す!?

 

10代の頃に映画にハマって以来ウン十年、今でも可能な限り“DVDではなく映画館で”映画を見るのを趣味としています。さて最近「4Kデジタルリマスター版」「デジタルリマスター版」という形で、古い映画が再上映されることが増えています。話題の新作映画も見たいのは山々なのですが、リアルタイムで見逃していた作品やもう一度見たいと思っていた作品が次々に「リマスター版」で登場するので、とても鑑賞が追いつかない!と嬉しいような困ったような状況です。

 

こんなふうに、かつてのヒット商品や人気キャラクターが、形を変えて再登場することが増えている気がします。たとえば、最近総合通販ベルメゾンで少女漫画雑誌『りぼん』とのコラボグッズが販売され非常に人気を博したようですが、その少女漫画は、現在30~50代の女性たちが少女時代に流行ったもの。つまり、元・少女たちの「懐かしい」という気持ちに訴えかけて見事財布を開かせているワケです。

 

ほかにも、バブル期のヒット映画「私をスキーに連れてって」とJR東日本のコラボや、80年代に一世を風靡した少年漫画「北斗の拳」と京急電鉄のコラボなども記憶に新しいところですし、90年代に社会現象となった「たまごっち」も復刻版が発売されています。また、「揚げパン」など懐かしの給食メニューを再現する飲食店や、ジャポニカ学習帳を大人向けに改良した「大人のジャポニカ学習帳」など、小学校時代に慣れ親しんだアイテムを思い出させるものも。中でも、見た目は「クーピーペンシル」「クレパス」「マジックインキ」なのに、中身はコスメという「ステーショナリーコスメ」は、懐かしさと意外性が相まって購入意欲を刺激されましたが、そもそもはインスタ映え重視の10代後半~20代前半女性をターゲットとしていたようです。ただ、私のような団塊ジュニア世代もクーピーペンシルやクレパスが子供時代の必須アイテムだったので、「懐かしい」スイッチを押されて思わず手を出してしまう可能性は否定できません。

 

こうしたリバイバル商品および現象は、既に「成功した」という実績があるだけに、非常に効率の良い戦略と言えるかもしれません。もちろんその一方で新しい商品も生み出していかなければ過去の資源の食いつぶしになってしまいますが、何か新しいもの、今までにないものを!という思考が行き詰まったときに、過去のヒット商品や特定年代の共通体験を参考にしてみるのも一つの手ではないでしょうか。

(K.O)

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