コラム
「日本流通産業新聞」11月8日号掲載2018.11.8(投稿日)
基礎講座Q&A vol.51 「Q.新規獲得のヒット広告はどうしたら作れるか?」

「日本流通産業新聞」 11月8日号に、代表取締役 鯉渕の『強い通販化粧品会社になるために 基礎講座Q&A vol.51 「Q.新規獲得のヒット広告はどうしたら作れるか?」』が掲載されました! 本文は、下記の通り。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

〈Q〉 新規顧客獲得がうまくいっていません。最近、新聞・雑誌などの紙媒体、インフォマーシャル、ウェブ関連など、どんな手法を使っても新規顧客獲得が思うようにいきません。獲得できてもリピートしない離脱客が多く、効率は大変悪い状況です。(中堅化粧品会社)

〈A〉 技だけでは難しい。マーケットを作るつもりで設計を

 

◆新規獲得は全体で不調

通販化粧品各社の最近の悩みを代表するような質問です。  新規顧客開発の効率が大変悪くなってきているのは、既存の中堅化粧品通販メーカー全体の問題です。  通販化粧品会社にとって「新規顧客獲得」は死活問題。各社とも解決策を見いだそうとさまざまなチャレンジをしているようですが、なかなかうまくいかないようです。  今の新規顧客開発は、通販化粧品ビジネスがスタートしたときのような、”固定観念を打ち砕く”ような発想を持つことが再度求められているような気がします。  しかも先駆者たちがスタートさせた「空白」の時とは異なって、さまざまなメーカーが飽和状態の今だからこそ、”固定観念の打破”を考える必要があると思います。

 

◆アンチテーゼが原点

そもそも通販化粧品というビジネスの創成期は、既存の店頭販売化粧品に対するアンチテーゼからスタートしました。通販化粧品の代表アイテムとなった「オールインワン」も、それまでのお手入れステップに対するアンチテーゼからスタートしたのです。  つまり化粧品通販のヒットは、このアンチテーゼが根底にあったはずです。ところが、昨今の「新規獲得が不調だ」との嘆きは、通販化粧品ビジネスが好調で、スムーズに新規獲得ができていた時代の成功パターンと比較しているように思います。  今やこれまでの通販化粧品の成功パターンは過去のものになっており、競争が激化したレッドオーシャンの中では、既存の成功パターンとは異なる”新たなアンチテーゼ”が求められているはずです。  そのためには、これまでの成功パターンから一度離れて、化粧品全体のマーケット、あるいは女性マーケット全体を俯瞰で見る視点が必要なのではないでしょうか。  そうするともっと緻密なお客さまの研究、マーケティング、あるいは新しい発想の商品開発なども考えなくてはなりません。一番大事なブランドコンセプトは、他社との差に明確なオリジナリティーがあるのかどうか、といったことも考える必要が出てきます。

 

◆新たな創業精神はあるか

今や大切なのは、固定観念を打ち破る”創業の精神”だと思います。  それが明確で、ターゲット層や商品、マーケティング戦略がぴったりと一致していれば、後は大胆に「発想の転換」を試みて、レッドオーシャンからブルーオーシャンへの道を探るべきだと思います。  大切なことは、通販化粧品の創成期に、化粧品について、いわば「未経験」の創業者たちがビジネスを成功させたように、過去の成功体験に頼ることなく、ストレートにお客さまにアプローチできる柔軟な発想が必要なのではないかと思います。  例えば、これまでの通販化粧品のセオリーではなく、店頭販売あるいは他産業の成功例なども参考になるでしょう。またベテラン社員の発想ではなく、思い切って若手社員の発想を採用してみても良いかもしれません。  要は創業者が1人で考えた時代と同じように、今度はブランドに参加する一人一人が参加する”創業の精神”で、発想の転換を図り、皆のアイデアや知恵を結集すれば、面白いことがいくつも考えられるはずです。  そのアイデアをふるいにかけて、通販化粧品が得意とするテクニック「小さな範囲でのテスト展開」を繰り返してみれば、新たな発見もあるでしょう。  ビジネスの活力を失わないためには、固定観念を払拭(ふっしょく)し、過去の成功パターンを忘れて、新たなアプローチ、新たなメディアやルートにチャレンジしていくべきではないでしょうか。そして小さな成功を見つけて、積み重ねていくべきだと思います。  一方では、新規顧客獲得にばかり頼らなくても、多くのファンがリピート購入してくれる足腰の強いブランド作りにも、同時に力を注ぐべきでしょう。

(月1回掲載)

このページの上へ