先日、某女性アイドルグループのメンバーのワンマンライブへ行きました。とはいえ、お目当ては女性アイドルではなく、サポートミュージシャン。主役である彼女が、どんな人物でどんな歌を歌うのかも知らない中での参加でした。そもそも、女性アイドルのライブに参加すること自体が初めてで、ライブ前は、普段訪れる会場と異なる雰囲気に圧倒され、「なんだか場違いな気がする」「周りのノリについていけるかしら」と、とにかく不安でいっぱいでした。ところが、いざライブが始まると、お目当てのサポートミュージシャンの存在もそっちのけで、女性アイドルの世界に没頭。ライブ後にはやや放心状態になるほど楽しく感動的なライブでした。
ライブ前は不安しかなかったライブをなぜこんなにも夢中になって楽しめたのか。改めて振り返ってみると、その大きな要因は、彼女のMC力にあったと思いました。「今日この曲を選んだのはこんな想いからです」「この歌詞のこの部分が私とそっくりなんです」と、数曲ごとに挟むMCで、彼女は曲への想いやエピソードを彼女なりの言葉、表現で伝えてくれました。その言葉の選び方、伝え方が本当に誠実で、初見の私にも彼女の人となりがよくわかり、みるみるうちに彼女が歌うその世界にぐいぐいとひきこまれていったのです。
「メッセージが伝わる、心が動く」とはこういうことなのだと思いました。
通販業界において、「お客様のファン化」は今やリピート促進のための必須事項。多くの企業が取り組んでいますが、そのうちのどれくらいが真にお客様の心に届いているでしょうか。どこかで見たこと、聞いたことがある言葉や表現になっていないか。どこの企業のものか見分けもつかないくらい似たような手法になっていないか。発信しているのは、今伝えるべきこと、伝えたいことか。お客様の信頼を得られているか。お客様の不安を払しょくし安心感を与えられているか。そして何より、お客様が求めている情報なのか。
「伝わるメッセージとは、心を動かす言葉とは」について、いま一度しっかりと見直したいと感じさせられるライブ体験でした。
(M・G)