190年以上の歴史がある老舗化粧品メーカーが、今回新たな挑戦として “顔採用” を採用枠に加えると発表したことは、ご存じの方も多いと思います。2020年度就活解禁日となる2019年3月1日には、 ”顔採用” を導入するという広告が日経新聞朝刊にて掲載され、SNSを中心に話題になりました。
実際の応募者は昨年比2倍。同社史上、最大のエントリー数だったそうです。
“顔採用” という強いワードを採用した募集告知は、誤解を招きかけません。しかしながら、SNSでは好反応。“おきまりの就職活動”に疑問を持つ学生の多さが分かります。
「うちはこんなに良い企業です」 < 「輝くあなたに働いてもらいたい」
応募する側からみると、後者に軍配が上がります。メッセージの軸を企業から志望者に変えたからだと思います。
また、「自分らしさ」を表現できるのであれば、「すっぴん」でも良いところもユニークだと思いました。
「外見より中身が大切」
「人を外見で判断するな」
このように、これまでの日本は、「人を外面で判断すること」は良いこととされてきませんでした。しかし、その考え方は大きく変わりつつあるのではないでしょうか。
美容大国の米国では、美容形成やエステの施術を受ける重役や経営幹部が増加。身なりを整えることで、企業イメージも大きく向上するそうです。
さらに、見た目と報酬には一定の関連があると発表した、労働経済学者もいます。米国をはじめ、オーストラリア、カナダ、イギリス、中国(上海)などで「見た目と収入」の調査をした結果、「外見が良いと収入にはプラスの影響がある」と結論付け、自身の著書で語っています。
人の美しさによって、所得に格差があるという統計結果を指す。これは、ビューティー・プレミアムと呼ばれています。
今や、美容は社会的機能を持ち、外見だけでなく人生を豊かにするツールです。
これからも、その一端を担う者の一人として仕事に取り組んでいきたいと思います。
(I・H)