先週末、半年ぶりにショッピングモールで洋服を買い、
帰りにファミレスで食事をしました。
その服はもちろん、ECサイトでも販売しているし、
ファミレスはデリバリーもしてくれます。
それでもやっぱり、お店に行けたことが楽しくて、
「また行こうね」と夫婦で話していました。
普段は利便性を求めながらも、たまには「リアルな体験」を求めるのは、
どうしてなのでしょうか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
目次
【1】対照的な2つの店舗
【2】イメージと違ったがっかり体験…!?
【3】リアル体験の役割
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【1】対照的な2つの店舗
先日、ある取引企業様のオムニチャネル化推進に向けた取り組みの
一環として、ミステリーショッパーを実施しました。
はじめに向かったのは、調査対象Aの店舗。
オーガニックオイルで知られるコスメブランドです。
お店は商品が綺麗に陳列され、雰囲気も洗練されたブランドイメージに
合っています。スタッフは、淀みない説明で商品の魅力を伝えてくれた
のですが、最後までしっくりこなかったのは、
「初めてのオイル美容なので手軽なものを」と伝えた私に対し、
高額商品ばかりをおすすめされるプレッシャーと居心地の悪さでした。
続いて訪れたのは、調査対象Bの店舗。
ミツバチ産品のパイオニア的存在のブランドです。
スタッフに「パン作りに適したクセのない蜂蜜が欲しい」と話すと、
手短に商品の説明をしてくれたあとは、そっとその場を離れ、
じっくり吟味する時間をくれました。そして、それでも決め切れない私に
蜂蜜のサンプルを手渡し、自宅で試食してから購入することを勧めてくれた
のです。その場で売ることよりも、私が「いい買い物をしたい」と思うことを優先してくれた対応に感動した出来事でした。
【2】イメージと違ったがっかり体験…!?
A社とB社のブランドコンセプトには、
「人と自然との共生」といった共通点があります。
私自身、自然派ブランドとして両社にそれぞれ抱いていたイメージが
ありました。
ところが、A社の店舗での体験は、
私のニーズが置いてきぼりにされていたようで
オーガニックブランドに対する「やさしさ」や「安心」といったイメージとはかけ離れた接客に「あれ…、なんか違う…」と違和感を覚えたのです。
一方、B社の店舗で対応してくれたスタッフは、
「一人の人のために」というB社の創業の精神を体現しているようでした。
いずれも、たった一人の接客に対する私の個人的な印象です。
しかし、そのたった1回のリアルなブランドとの接点が、
顧客が抱くイメージを、良くも悪くも左右する可能性があるとすれば、
ブランディングとは、クリエイティブやコピーワークの表現だけで完結できるものではなく、関わるすべての事柄の総合力だと改めて感じました。
【3】リアル体験の役割
コロナ禍がきっかけとなり、通信販売の需要が増え、
その利便性が再確認されたのは明らかです。
それでも、私のようにときどきはお店で実際のモノに触れたり、
店員さんと話したりして「リアルな体験」を楽しみたいという消費者も
多いはずです。だからこそ店舗はただモノを売るだけの場所ではなく、
通信販売もただモノをお届けするだけではない、
価値を持たなければならないと思います。
その買い物でしか味わえないブランドの世界観や考え方を発信し、
お客様に感動を体感していただくこと、
それがブランディングの役割だと考えます。
フォー・レディーでは、アフターコロナ時代を見越して、
ブランドコンセプトの再構築や、社員教育、美容マニュアルの見直しなど、
インナーブランディングに関するご相談も承っております。
ぜひお気軽にお問い合わせください。