コラム
「日本流通産業新聞」7月25日号掲載2024.8.26(投稿日)
基礎講座Q&A vol.105 「Q.レッドオーシャンの業界でどのようにかじ取りをしていくべきか?」

「日本流通産業新聞」 7月25日号に、代表取締役 鯉渕の『強い通販化粧品会社になるために 基礎講座Q&A vol.105 「Q.レッドオーシャンの業界でどのようにかじ取りをしていくべきか?」』が掲載されました! 本文は、下記の通り。

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Q.レッドオーシャンの業界でどのようにかじ取りをしていくべきか?
これまでスキンケアを中心に通販で化粧品を販売してきました。コロナ禍を経て、さまざまな化粧品会社が通販に参入しており、ますます競争は激化する一方です。この中で生き抜く方法はあるのだろうか。日々迷っています。(中堅通販会社)

A.成長戦略のためのロードマップを作る!

◆まず、目的を明確化する

 吉田松陰の有名な言葉に、「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし」という言葉があります。
 私はいつも何かのアクションを起こすときに、この言葉を思い出すようにしています。そしてこの言葉通りに、夢、理想、計画、実行(アクションプラン)をまとめた「成長戦略ロードマップ」を作るようにしています。
 自分の会社はもちろん、得意先にもこの「成長戦略ロードマップ」を作成することをお勧めしています。これを作成しておくと、自分はもちろん、スタッフも迷った時に、いつでも元々の夢や理想の目的に立ち返ることができるので、考え方はブレないし、その場限りのアクションも少なくなるので便利だと思っています。
 「成長戦略ロードマップ」を作成する最初の作業は、そもそもの創業時の「夢」のようなものを思い出し、「何のためにこのビジネスを行い、どのような価値を提供して、誰を幸せにするのか」というような大きな夢を言葉にしておくと良いと思います。
 「夢」の言葉がまとまったら、その夢を実現するための、もう少し具体的な「目標」をまとめると分かりやすくなります。

◆現状を正確に把握する

 その後はいったん「夢」や「目標」から離れて、現実を見つめ直すことが必要。一番直近の足元を見つめなおす作業です。現状は正確に、冷静に受け入れなければならないので、事業の棚卸をする感覚でやってみるとよいでしょう。売り上げ分析や効率の確認も必要です。その中で当社では、お客さま調査を組み込むことをお勧めしています。アンケートなどの定量調査と、グループインタビューなどの定性調査の両方を実施すると良いでしょう。お客さまには、「良い情報より不満や苦情を多く指摘してもらった方がありがたい」とお願いするつもりで、「お客さま目線の棚卸をする」。そのぐらいシビアに現実を掌握することで、現時点の自社の立ち位置と、問題点や課題を抽出するのです。

◆解決手段を見つけリスト化

 問題点や課題が明確になれば、その解決策や手段も見つけられるはずです。この「解決手段」のアイデア抽出に役立つ手法としては、関係するスタッフの「ブレインストーミング」が最適です。これは通常の会議とは別の「アイデア抽出会議」として、立場や役職を無視した、いわば無礼講会議のようなものです。ルールはいたってシンプル。発言内容に責任は問わない、役職や立場に忖度しない、どんなアイデアにも否定は禁止、お茶やお菓子を食べながらワイワイと。
 一つだけのルールは、発言者は主張を「短い適語表現」で付箋紙にメモを書きながら提出。全員がファシリティターの許可を得て話すこと。この程度のルールです。
 このブレインストーミングで抽出された、「問題点の課題解決策」をリスト化し、改めて本格的な会議で実行可能なことを具体化するのです。そこでは、コストや効果の予測、検証方法などを検討し、通常の会議としてアクションプランを導き出し、「成長戦略ロードマップ」の「課題・問題点」の上段に「解決策・手段」として掲げるのです。

◆成功へロードマップを作る

 最上段に掲げた「夢」、次に掲げた「目標」、一方下から積み上げた「問題点・課題」とその「解決策・手段」が埋まると、真ん中は、より身近な事業計画や中期の計画が導き出せるはずです。これが当社で推奨している「戦略ロードマップ」の作り方です。このマップが完成すると、関係スタッフの意識統一や目標が明確になり、何をどんな手順で解決しなければならないかということがはっきりします。
 その上で、アクションプランに対する「検証方法」を組み込み、結果を分析して修正していくPDCAを回していけば、強力な成功への「成長戦略ロードマップ」になるでしょう。もちろん大事なことは、「作って終わりにしないこと!」が大前提ではあります。念のために!

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