「週刊粧業新聞」 3月3日号に、代表取締役 鯉渕の『激変するコスメマーケット 第105回 とても一括りにはできないシニア世代!』が掲載されました!
本文は、下記の通り。
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『激変するコスメマーケット』
第105回 とても一括りにはできないシニア世代!
いまや日本人の4人に1人が65歳以上のシニア層である。そして自分もその中の1人になってみると、「シニアといっても、いろいろな人がいるので、一緒にカウントされたくない!」と思ってしまう。みんながそう思っているかはわからないが、少なくとも今のシニア層は、価値観もカルチャーも全く異なる特徴を持ついくつかの世代グループに分かれている。若い世代にとっては、一括りの「シニア」に見えるかもしれないが、実はそれぞれに格差があって当事者たちにとっては、異なる文化を持つ別世代なのだ。そして私の周りには、そんな様々なシニア層が多く存在しているので、「身近マーケティング」の視点でその特徴をチェックしてみた。
まずシニア世代の中で人口ボリュームが多く、戦後日本のあらゆるブームを牽引してきた「団塊の世代」。1947~1949年生まれの方々で、私にとっては姉や兄、またその配偶者などの先輩たちだ。現在は70代後半に差し掛かっている。この方々は生まれた時からアメリカ文化に強く影響を受け、活動的で新しいものをすぐ取り入れてきた世代だ。人口が多かっただけに競争意識も強い。大学生の時に学園紛争に巻き込まれ、東大の入試が中止になり、安田講堂を機動隊が取り囲んでいる映像を何度も見せられた。良くも悪くも若いころに昭和の経済成長を支えてきたため、成長神話を信じてシニアになった現在でも、前向きな姿勢は変わらない。チャレンジ精神を失わず、新しいものが好きなので、いつまでも気分は若々しい。身体状況が許せば行動範囲は広い人たちだ。
その次の世代が私や同級生の「ポスト団塊世代」。1950~1964年生まれまでの、比較的安定した時期に青春時代を過ごした人々だ。上の団塊世代が豊かな生活にあこがれて、様々な努力をして勝ち取った環境を、次のポスト団塊の世代は、「すでにそこにあるもの」として享受できた。物質的豊かさは当たり前で、TVやCMで見たブランド品やファッションを普通に手に入れられる。車や音楽を自由に楽しんだ世代だ。ファッションはDCブランドが流行し、何の疑問も持たずに欲しいものはいつでも買えると思っていた。現在は70代前半~60代になっているが、先輩の団塊の世代が大ボリュームを形成しているため、自分たちをまだ「シニア」とは認識していないようだ。消費行動も華美なものより自分で自由に組み合わせる傾向が強く、言うなれば自分流を貫いている世代でもある。
その下の世代が、「バブル世代」。1965~1970年に生まれた方々なので、現在55~60歳、まだまだシニアとは程遠いが、もうすぐ定年を迎える現役世代でもある。私にとっては、部下あるいは後輩世代である。この方々はバブルの絶頂期に社会に出て、ブランド志向、レジャー消費の見栄っ張りの買い物を楽しんできた人たちだ。かつて私も後輩たちの、一点豪華のセレブ買いをしている姿をよく見かけたものだ。その後のバブル崩壊で価値観の転換を迫られている世代でもあり、現在はリタイアを前にして、今後の老後資金が気になっている人たちでもある。
その次の世代が「団塊ジュニア世代」で、親である団塊世代の子供たちだ。親世代も人口が多いため、ジュニア世代も前後の世代より人口が多くなって、今は50代に突入している。私にとっては、甥や姪の世代に当たり、その子供たちも含めて家族ぐるみの交流が多い。その「身近マーケティング」で観察してみると、この世代の価値観は親の団塊の世代に近い。アメリカ文化が好き、合理的な考え方をする、ただし世の中の経済状況を反映して、親世代より買い物行動は慎重になっており、事前のスマホ検索は当たり前の堅実消費志向だ。また最近の傾向として、エコ志向や自己投資への関心が高いのも特徴だ。
このように世代間の特徴には大きな差があるので、とても一括りにはできないのが、今日のシニア世代、およびシニア予備軍世代だ。