若々しい70代に共通する習慣とは?―「おしゃれ」が若返りを左右する理由

最近、驚くほど若々しく、現役で活躍する70代の方々に出会う機会が増えている。同じ年代でも、元気な人と急に老け込んでしまう人の違いはどこにあるのか。日々の姿勢や暮らし方を観察していくと、そこにはいくつかの共通点が見えてきた—。今回のコラムは、『週刊粧業』3月12日号に掲載された「激変するコスメマーケット vol.13」です。ぜひご覧ください。

週刊粧業
化粧品、日用品(トイレタリー製品、石鹸洗剤、歯磨き等)、医薬品、美容業、装粧品、エステティック等を中心とした精算・流通産業界の総合専門紙として、日々変化する業界の最新動向を伝えています。

忙しい人向け|対談で学ぶ〝気持ち&体&おしゃれ_70代の若々しさ

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若々しさを保つ70代に共通する「心と体のあり方」

最近、元気な70代の大先輩たちによく出会うようになった。

まず、化粧品業界では知らない人はいない大物経営者。最近会長職に復帰されたばかりで毎日のようにメディアにも登場している。76歳とお聞きしたが、一時期より若返ったのではないかとさえ思える。

女性たちも、私の周りでは70代が大活躍している。個人的な友人知人の先輩たちも、たとえば毎月ヘアメイクでお世話になっている美容業界の大御所ヘアメイクアーティスト、料理を教えてくれてしかも食べさせてくれる料理人、服装のコーディネートを考えてくれるブティックの店長、我が家のお掃除など家事一切をサポートしてくれる専業主婦の達人など、ほとんどが70代の女性たちである。

60歳の定年を迎えるとぬれ落ち葉のように、途端に元気がなくなって老け込んでしまう人もいる中で、若々しく元気な70代の方々は、何が違うのかを考えてみた。

1つ目は、まず「気持ちが若い」ということだ。現役を引退せず、自分の社会的居場所を持っているので、社会に対して関心を持ち続ける立場でもある。

特に会社人間でない技術職の女性は「定年」とは縁遠いため、「好きなこと=仕事」にしている人が多く、本人の意思さえあれば続けられる。

好きなことを続けられて、それが社会的に認められると、様々な社会現象に対する好奇心もわいてきて、さらに気持ちを若々しく保てるのではないか。

2つ目は、「体が丈夫」で、大きな疾患がなく毎日元気で活動できること。70代で大活躍している先輩たちをよく見てみると、男女を問わず体型は中肉中背で、何よりも立ち姿の姿勢がすっきりしている。食生活、運動など普段から、健康に関心を持って気遣いをしているのではないかと思う。

私の先輩たちは、極端な無理はしないが多少体に負荷をかけるような運動をしているし、食生活のバランスを注意している人が多い。

老けない人が大切にしている“日常の積み重ね”

3つ目は、「おしゃれ」であること。まず、ファッションが老人臭くならず若々しい。おしゃれを楽しむことは、「老化」しないために最も大切なことのような気がする

お化粧についても、お肌のシミ、シワ、たるみに対する対策だけではなく、いかに「老けないか」に気を配っている。

「老け顔」に見えるのは、単にお肌だけではなく、髪、歯、目、爪など、様々な部位が「老化」するからだと思うが、若々しい大先輩たちは、その細部にまで気を配り日常のメンテナンスをきちんとしている。私のようにいい加減に手を抜くようなことをしない人が多い。

今後日本は、団塊の世代が70代に突入すると、本当に老人大国になってしまうが、70代の方々は、心がけ次第で、体が丈夫であれば、現役で仕事ができ、おしゃれに関心を持ってもらうこともできるのではないか。

そうだとすれば化粧品ビジネスをしている我々にとって、元気な70代が多くなることは歓迎できることなのではないか。

アメリカから意見され、日本女性の労働力を開発することもとても大切だが、意外に老人の労働力ももっともっと活用できるのではないか。

元気な70代の方々を数多く見てそう感じた。ただし、「老害」を与えないように老人、若手の両世代が相互で注意や工夫をしなければならない。

株式会社フォー・レディー 代表
鯉渕 登志子

フォー・レディーは、シニアや女性のインサイトを表面的な年齢や悩みで判断せず、暮らし・価値観・気持ちの変化まで含めて理解することを大切にしています。伝える前に、まず理解する。その整理のお手伝いができればと思っています。

深掘りQ&A

若々しい70代と、急に老け込んでしまう人の分かれ道は何ですか?

「年齢」ではなく、「自分をどう扱っているか」の差です。本文では「気持ち」「体」「おしゃれ」が挙げられていますが、さらに大きいのは、自分を“まだ伸びる存在”として扱っているかどうかです。若々しい人ほど、「新しい情報に触れる」「人に会う予定を入れる」「身だしなみを『後回し』」にしない」といった、小さな行動をやめていません。老け込む人は、知らず知らずのうちに「もういいか」を積み重ねてしまいます。

シニア市場で失敗しやすい企業の共通点は?

「老い」を前提に企画してしまうことです。衰えや不安、できなくなることばかりを起点にすると、元気なシニアほど距離を置きます。このコラムに登場する70代のように、まだ楽しみたい・役に立ちたい・選びたい人たちをどう捉えるかが、分かれ道になります。

ABOUT US
株式会社フォー・レディー 代表 鯉渕登志子
日本大学芸術学部卒業後、アパレル業界団体にてファッション経営情報誌の編集に携わり、カネボウファッション研究所を経て、1982年に株式会社フォー・レディーを設立。これまで手がけた化粧品・ファッション通販企業は180社を超えます。一貫して「女性を中心とした生活者ターゲット」に寄り添い、消費者の実感から発想することを信条としています。 「自分が使って心から納得できるものを届ける」というポリシーのもと、コンセプト設計からクリエイティブ制作までを一貫して行っています。また、日本通信販売協会などでの講演実績も多数あり、生活者視点のマーケティングを広く発信しています。

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