「アンケート離れ」を防ぐ!お客様が“思わず答えたくなる”仕掛けとは?

お客様の声を集めるためにアンケートを実施しても、なかなか反応が得られない…そんな悩みを抱えていませんか?もしかすると、その原因は「質問内容」や「伝え方」にあるかもしれません。本コラムでは、お客様が思わずペンを取ってしまう、そんなアンケートの工夫についてご紹介します。今回は、『日本流通産業新聞』1月21日号に掲載された「強い通販化粧品会社になるために 基礎講座Q&A vol.32」です。ぜひご覧ください。

日本流通産業新聞
通販・ネットビジネス・健康食品・美容業界などの最新動向を専門的に取り上げる業界紙です。実務に直結する情報を多角的に発信し、多くのビジネス関係者に支持されています。

忙しい人向け|対談で学ぶ〝アンケートで本音を引き出しファンを増やす秘訣〟

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目的の見えないアンケートは逆効果!まずは「何のためか」を明確に

化粧品通販会社 担当者

お客様の声を商品開発やサービスに反映させたいと考えて、お客様アンケートを実施していますが、なかなか回答が集まらないのが現状です。どうしたらもっとお客様に関心を持ってもらい、アンケートの回答率が上がるでしょうか?

前回に引き続き、お客様の声を集める方法についてのご質問です。今回はアンケートの取り方に絞ってお答えします。

お客様にアンケートを実施するのは良いことですが、できれば目的を明確にして実施したいものです。アンケートには、「いつも同じ項目でご意見を伺う目的のモノ」、「その時期に必要な項目でご意見を集めるモノ」の2つがあります。

前者の場合は、記述式で自由にサービスや商品に対するご意見を記載してもらうと良いでしょう。またお客様の近況等を書いていただく「お便り」も集められれば、情報誌やDMの「お便りコーナー」等に使用できます。これらは常時、記入しやすいアンケート用紙(ハガキ等)を用意して、継続的にお客様のご意見収集を行いたいものです。これらのご意見収集のために各通販化粧品会社は様々な工夫をしています。

たとえば、ハガキの宛名を社長名にして、「必ず読みます」というようなメッセージを発信する会社もあれば、「今月の記事やキャンペーンで何が良かったか?」等の質問形式にしている例もあります。いずれも具体的で回答しやすく、親しみやすいアンケートを作ることが不可欠です。

また大切なことは、集めたお客様の声やご意見は、きちんと発表する場を作っておくべきです。お客様は自分と同じ化粧品を使っている「会員」の声をいつも目にしていると、自分も回答することに抵抗感がなくなります。そして、お客様の声が多く集まるようになると、それだけ関心が高まっているということになり、商品やブランドのファンが増えて、購入のレスポンス率も徐々に上がってきます。

後者の決められた時期に意見を集めたいアンケートの場合は、何のためのアンケートをするのか、目的を明確にしたいものです。漠然と「商品開発やサービスについてのご意見をお寄せください」というような質問では、回答する方もなかなか答え難いものです。

例えば、商品開発に役立てたいなら、想定アイテム等を明らかにして、サービスに役立てたいなら、具体的なサービス項目を示してご希望、ご意見を募るべきです。

またアンケート内容は記述式の項目が多くなると、お客様は面倒に感じて、回答しなくなります。さまざまな回答が想定される項目だけを記述式にして、その他は選択式のチェック回答を多くした方が良いでしょう。

たとえロイヤル顧客様とはいえ、「あれもこれも…」と欲張って膨大なアンケートに回答させられると、うんざりしてしまいます。目安は4~5問程度で、コンパクトに本音を引き出せるような設問を作りましょう。まずは目的を整理した上で、回答しやすい設問設定や、お客様が回答する“甲斐がある”と感じられる工夫をすることが大切です。

アンケート結果は必ず公表し、信頼につなげる

そして、アンケート結果が出たら、その結果を公表すること。

回答してくださったお客様にはもちろん、会員情報誌やサイト等で集計結果を公表すべきです。そうすることで、お客様は、「意見が反映された」「役に立った」と感じ、「誠実な会社」という印象を抱くでしょう。そして「次も協力しよう」と考えるようになるはずです。

また「こんな結果が出ました」と報告するだけでなく、「この結果を今後このように生かします」と、活用する姿勢を示すことができれば、さらに信頼感が深まるでしょう。お客様も自分の意見が取り入れられたことで喜びを感じ、御社のビジネスに「参加した」と感じていただけるものです。

株式会社フォー・レディー 代表
鯉渕登志子

アンケートも、座談会も、会報誌も――すべてはお客様の声を活かすために。
フォー・レディーは、数多くの通販化粧品企業を支えてきた実績とノウハウで、御社のファンづくりをお手伝いします。

深掘りQ&A

集めた声をどう活かせばいいのでしょうか?

「こんな結果が出ました」と報告するだけでなく、「その声を踏まえてこのように改善しました」と伝えることが重要です。そうすることで「意見が反映された」と感じてもらえ、信頼感やファン化につながります。

アンケートで回答率を高めるコツはありますか?

回答しやすさが最も重要です。選択式を中心にし、自由記入欄は最小限に。さらに、回答後には結果を報告することで「協力してよかった」と感じてもらえ、次回の協力度も高まります。

ABOUT US
株式会社フォー・レディー 代表 鯉渕登志子
日本大学芸術学部卒業後、アパレル業界団体にてファッション経営情報誌の編集に携わり、カネボウファッション研究所を経て、1982年に株式会社フォー・レディーを設立。これまで手がけた化粧品・ファッション通販企業は180社を超えます。一貫して「女性を中心とした生活者ターゲット」に寄り添い、消費者の実感から発想することを信条としています。 「自分が使って心から納得できるものを届ける」というポリシーのもと、コンセプト設計からクリエイティブ制作までを一貫して行っています。また、日本通信販売協会などでの講演実績も多数あり、生活者視点のマーケティングを広く発信しています。

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