顔よりも先に老ける?シニア世代が実感する“パーツケア”の重要性

まつ毛や唇など、若い世代を中心に注目されている「パーツケア」。しかし実は、年齢を重ねたシニア世代にこそ、より切実なテーマなのではないだろうか。加齢による変化は、顔だけでなく、体のさまざまな“パーツ”に現れてくる。今後求められる「シニア向けパーツケア」の可能性について考えてみたい。今回のコラムは、『週刊粧業』2月16日号に掲載された「激変するコスメマーケット vol.20」です。ぜひご覧ください。

週刊粧業
化粧品、日用品(トイレタリー製品、石鹸洗剤、歯磨き等)、医薬品、美容業、装粧品、エステティック等を中心とした精算・流通産業界の総合専門紙として、日々変化する業界の最新動向を伝えています。

忙しい人向け|対談で学ぶ〝シニア世代のパーツケア戦略〟

忙しくてなかなか文章を読む時間がない方向け、スキマ時間に聞くだけで学べる音声版をご用意しました。

顔よりも先に現れる、シニア世代の「パーツ別の変化」

最近、若い世代を中心にまつ毛や唇などの『パーツケア』が話題になっている。しかし私の本音を言えば、シニア世代にこそ『パーツケア』が必要なのではないかと思う。シニア世代になると若い頃には思いもしなかった変化が、カラダの様々なパーツ部分に現れるからだ。

スカルプケアに代表されるヘアケアは、多くのシニア世代の女性が抱える悩みの一つ。加齢とともに髪の毛1本1本がやせて細くなり、ハリを失って髪のボリュームが少なくなってしまう。ふんわり感がなくなった髪は、頭にぺたりと張り付いたようになり、より老けた印象を与えてしまう。多くのシニア世代の女性が少しでも若々しい印象を取り戻そうと、何かしら髪のボリュームアップ対策をしているはずだ。

指先・足・全身・口元、ごまかせないパーツの悩み

また、乾燥しやすくなった指先は、爪の周りの皮膚が硬くなり爪自体も割れてしまうこともある。足についても同様、長い間靴を履き続けたために踵だけではなく、足の指先や爪の周りの皮膚が硬くなり形さえも崩れてくる。ハンドクリームや足用のパックなども目にすることはあるが、乾燥状態がひどいシニアの指先や爪のケアに特化した商品はあまり見たことがない。活動的な現在のシニア世代には、使い勝手のよい簡単なケアで、加齢の不都合を解消してくれるものが良い。

手や足だけではない。乾燥のため全身がカサつくので、ボディクリームは欠かせなくなった。しかしカラダが固くなって、全身くまなく塗るためには時間がかかる。そういう時には、手の届かないところも保湿ケアできる、スプレータイプのものがあればいいのにと思ったりする。

オーラルケアも悩みの一つ。加齢で歯茎が下がり、歯の間にすき間が出来る。なんだろうと思ってお医者様に尋ねると「加齢です」とのこと。若い時には想像もしなかったが、自分のカラダに「ここまでか!」と思うことが次々と起こる。パーツ毎のトラブルを初めて自覚した女性の多くは、「そんなはずはない」と自分自身の加齢による変化をすんなりと受け入れることができない。しかし、誰もが直面する、避けることが出来ない現象なのだ。

アクティブシニア女性が求める「これからのパーツケア」

顔のシミはファンデーションを塗って多少は隠せる。ところが髪の毛や指先はごまかしがきかない。だからこそシニア世代が簡単にできる『パーツケア』商品がもっと多くあっても良いのではないだろうか。

いま話題になっているパーツケア商品は、若い世代に向けた商品が多いような気がする。しかし加齢によるカラダの『パーツ』の悩みに真っ先に気がつくのは、老化が始まる世代だ。社会活動も現役だし、経済力もまだまだある。そして老化の悩みをあきらめるのではなく、若さを取り戻す意欲もある。そんなアクティブシニア女性のために、スキンケアやメイク商品だけではなく、ぜひ『シニア向けのパーツケア』にも注目し、ニーズに合った商品開発を行って欲しいと、切に願うものである。

株式会社フォー・レディー 代表
鯉渕 登志子

シニア世代の「パーツ別の悩み」は、商品力だけでは解決できないことが多くあります。フォー・レディーは、生活者の声を丁寧にひもときながら、商品企画・伝え方・育て方までを一貫して整理し、“本当に届く形”に落とし込むお手伝いをしてきました。「作っているのに、伝わらない」そんな違和感があれば、お話を聞かせてください。

深掘りQ&A

なぜ「顔のケア」ではなく、「パーツケア」に注目する必要があるのですか?

顔のケアは、メイクやスキンケアによって“ある程度カバーできる領域”です。一方で、髪・指先・足・口元といったパーツは、ごまかしがききにくく、年齢による変化がそのまま表れやすい部分でもあります。シニア世代の女性が「年齢を感じる瞬間」は、実は顔よりも、こうした日常動作の中に潜んでいます。だからこそ、パーツ単位でのケアに目を向けることが、実感に即したアプローチになるのです。

シニア向けの商品は「簡単」であることがなぜ重要なのでしょうか?

シニア世代は「できない」から簡単なものを求めているわけではありません。むしろ、仕事や社会活動、趣味などで忙しく、手間のかかるケアを“優先しなくなる”段階に入っていると言えます。続けられるかどうかは、効果以前に「使い勝手」で決まります。簡単であることは、シニア世代にとって“思いやり”であり、継続の前提条件なのです。

ABOUT US
株式会社フォー・レディー 代表 鯉渕登志子
日本大学芸術学部卒業後、アパレル業界団体にてファッション経営情報誌の編集に携わり、カネボウファッション研究所を経て、1982年に株式会社フォー・レディーを設立。これまで手がけた化粧品・ファッション通販企業は180社を超えます。一貫して「女性を中心とした生活者ターゲット」に寄り添い、消費者の実感から発想することを信条としています。 「自分が使って心から納得できるものを届ける」というポリシーのもと、コンセプト設計からクリエイティブ制作までを一貫して行っています。また、日本通信販売協会などでの講演実績も多数あり、生活者視点のマーケティングを広く発信しています。

BACK TO INDEX