お客様の声を集めるためにアンケートを実施しても、なかなか反応が得られない…そんな悩みを抱えていませんか?もしかすると、その原因は「質問内容」や「伝え方」にあるかもしれません。本コラムでは、お客様が思わずペンを取ってしまう、そんなアンケートの工夫についてご紹介します。今回は、『日本流通産業新聞』1月21日号に掲載された「強い通販化粧品会社になるために 基礎講座Q&A vol.32」です。ぜひご覧ください。

日本流通産業新聞
通販・ネットビジネス・健康食品・美容業界などの最新動向を専門的に取り上げる業界紙です。実務に直結する情報を多角的に発信し、多くのビジネス関係者に支持されています。
顔が見えないからこそ磨かれる“想像力”と“提案力”

中高年の女性のための化粧品を取り扱っています。電話受注の比率が高いので、コールセンタースタッフに販売力を発揮してもらいたいと思っています。どのような教育をしたら良いでしょうか?
通販化粧品のコールセンターはこれからますます重要になるでしょう。
特に中高年世代の場合は、1人ひとりのお客様との接点になるので、1to1マーケティング1を実践しようとすると、コールスタッフの力量に頼らなければなりません。特にスタッフのヒアリング力、アドバイス力、それを可能にする美容知識がとても重要になることは言うまでもありません。
ところが現状では受注処理の対応に追われて、適切な美容アドバイスまで至っていないということが多いのではないでしょうか?それでは通販化粧品の未来は暗いと思います。
今後は対面販売以上の接客をできないと、せっかく通販で売っている意味がなくなってしまうと思います。つまり通販だからこそできる化粧品販売の強みを発揮しないと、通販チャネルの優位性が薄れてしまうと思います。本来、通信販売で化粧品を販売することは、対面販売に比較するととても難しいことです。
店頭販売の場合はお客様の肌状態を見て確認しながら販売できますが、通信販売の場合はそれが不可能です。通販化粧品の販売は、お客様から充分にヒアリングして、肌状態をイメージし、相談相手になりながら、適切なお手入れアドバイスをしなくてはなりません。つまり店頭販売のスタッフよりもより高度な販売スキルを発揮しなくてはなりません。
美容部員の意識で考えるべき3つのポイント

私はいつも「美容部員2になったつもりで」施策を考えたり、DMや情報誌を作成したりすることを心懸けていますが、そのために必要なことは以下の3つのポイントだと思っています。
1つ目は、そもそも化粧品を販売するという行為は、商品をプロダクツとして販売するだけでは完了しません。お客様をきれいにするということこそ最終目的です。いつもその意識を忘れないことだと思います。
2つ目は、お客様の肌状態は1人ひとり異なるということです。
そのためお客様が何に悩んでいて、本当はどうなりたいかを知らなければなりません。肌悩みの内容や思い当たる原因を正しくヒアリングできなければなりません。それも通信販売という手段で、お客様の肌質を想像し、確認できる知識と方法を知らなければなりません。
またライフスタイルやお手入れの好みを知らなくては、適切なアドバイスはできません。そして購入いただいたら、効果を最大限に高める使い方を提案し、根気よくお手入れを続けてもらうための励ましも不可欠です。次回に繋げる言葉も忘れてはいけません。
3つ目は、そもそもの前提条件として、販売している自社製品の特徴を熟知し、自分自身が体感&実感して、ファンでなくてはお客様にその良さを伝えることはできません。化粧品の販売をするということは、お客様の人生にも関わるたいへん重要な仕事なのです。化粧品の販売にかかわる人はそのような覚悟が必要だと思います。
ぜひ、あなたの会社のコールセンタースタッフに、充分な情報提供と教育&研修を実施し、誇りと自信を持たせてあげてください。


鯉渕登志子
通販化粧品に必要なのは、数字ではなく“心でつながる接客力”。フォーレディーは、コールセンタースタッフを美容部員のように育てる教育と仕組みづくりで、御社をサポートします。一緒に、お客様に愛されるブランドを育てていきませんか?
用語解説
- 1to1マーケティング―一人ひとりの顧客のニーズや状況に合わせて、最適な情報提供や提案を行うマーケティング手法。大量発信ではなく、顧客ごとにカスタマイズした対応を重視する。 ↩︎
- 美容部員(BA:ビューティーアドバイザー)―化粧品売り場でお客様の肌状態や悩みをヒアリングし、最適な商品やお手入れ方法を提案する専門スタッフ。販売だけでなく、カウンセリングやアドバイスを通じて顧客の信頼を得る役割を担う。 ↩︎

















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