通販化粧品会社にとって、お客さまと直接会える機会はほとんどありません。しかし近年、「体験価値」を重視する流れの中で、顧客イベントを通じた交流が注目されています。肌診断やメーク教室、工場見学など、実際に喜ばれているイベント内容とは何か。「体験型イベント」の考え方と実践のヒントを解説します。今回のコラムは、『日本流通産業新聞』1月29日号に掲載された「強い通販化粧品会社になるために 基礎講座Q&A vol.122」です。ぜひご覧ください。

日本流通産業新聞
通販・ネットビジネス・健康食品・美容業界などの最新動向を専門的に取り上げる業界紙です。実務に直結する情報を多角的に発信し、多くのビジネス関係者に支持されています。
通販化粧品会社のイベントは「顧客と社員の交流」を目的に設計する

担当者様
これまで全く実施したことはないのですが、お客さまを招いてイベントを実施し、「体験価値」を訴えたいです。喜ばれるイベントにしたいのですが、おすすめの内容ややっておくべきことはありますか?
インタビュー調査等でお客さまに「どんなイベントだったら参加したいか?」を尋ねると多くの方が最初に挙げるのは「肌診断」です。なんといっても、今の自分の肌状態をきちんと調べてもらいたいというお声がダントツです。
2番目は「メーク教室」です。特におとなの女性たちには「若返りメーク」のテクニックをプロに教わりたいというニーズが強いです。顔立ちによってテクニックも多様なメークは、自分の顔で教えてほしいという気持ちが大きいようです。
3番目は化粧品メーカーのイベントであっても、顔やデコルテまで含む「マッサージ教室」も人気があります。これらが3大人気イベントと言えましょう。
前述した以外のコンテンツでは「工場見学」も人気があります。研究者のセミナーや、手作り化粧品の体験会などがセットされているとより参加者が増えるようです。
イベントとはいってもあまり形式にとらわれることはありません。自社の都合に応じて、気軽にできることからスタートすることが大切。できれば定期的に長く継続し、多くのお客さまに参加していただくのが理想的です。

体験価値がブランド信頼を高める理由

お客さまは、会社側が思っているほど消極的ではなく、自分が使っている化粧品ができる工程を知りたいと思っています。
また自分が使う化粧品だからこそ、「どんな人たちが、どんな風に作っているのか、会社のことも含めて知りたい」と思っています。だからこそイベントへの参加意欲が高いのです。
参加いただくことで会社への親近感も増しますし、社員との交流も生まれるので、情報提供の時間も十分にとることができます
通販の会社は、お客さまと対面で接触する機会はほぼありません。化粧品会社なのに、お客さまの肌を見ること無く販売している業態なのです。
働いているスタッフは、お客さまに接する機会がほとんど無いのが現状です。そのため、直接お客さまに会えるイベントで接することは本当に学ぶことが多く、モチベーションのアップにもつながります。
初めての顧客イベントはハードルの低い企画から始める

とはいえ全くお客さまに接する機会のなかった社員が、いきなりイベントを開催するのはハードルが高いはずです。最初は無理せず、お客さまも参加しやすいもの、また会社も運営しやすいものからスタートするのがよいでしょう。
例えば、少人数でのセミナーにご招待するなど。慣れてきたら座談会やメークレッスン、肌診断会などのお客さまのニーズが高いものにもチャレンジしてみましょう。
また、開催を決めたらその前後にもやるべきことがあります。当日のコミュニケーションを取りやすくするためには、あらかじめご来場いただくお客さまのことを知っておく必要があります。事前にアンケートなどを実施しておくとよいでしょう。
また、イベント後にはその様子を他のお客さまにもお知らせするとよいでしょう。そうすることでこの会社のイベントではどんな良いことがあるか、どんな雰囲気なのかがイメージでき、初めての方の参加へのハードルも低くなるでしょう。
このようにして、お客さまに満足していただく体験型イベントには、内容の選定だけではなく事前事後準備にも気配りが必要です。「次も来たい!」と思ってもらうために、段階を踏みながら準備してみてください。

鯉渕登志子
イベントは“やること”が目的ではなく、“関係が育つこと”が目的です。小さなセミナーから本格的な体験イベントまで、無理のない形でスタートできる設計をお手伝いします。「うちでもできるだろうか?」という段階から、ぜひご相談ください。
















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