
国産オーガニック化粧品のパイオニアとして知られる株式会社ネオナチュラル様。自社農場を持ち、自然と共生したものづくりを続ける一方で、市場の成熟と大手・D2C参入の拡大により「ブランドの埋没」という課題に直面していました。フォー・レディーと共に取り組んだのは、顧客理解を起点としたブランドの軸の再確認。そのプロセスと成果について、統括マネージャー 御澤様にお話を伺いました。
課題
成果
ブランド戦略から販促ツール制作まで一貫して支援

ネオナチュラル
1960年に名古屋市で創業された株式会社ネオナチュラル様。代表の高柳昌弘社長が、家族のアトピーをきっかけに無添加石けんを手作りしたことから、国産オーガニック化粧品づくりへと発展されました。現在は岐阜県郡上市に自社農場「母袋(もたい)有機農場」を構え、ハーブや植物の栽培から原料化、製品開発までを一貫して手掛けていらっしゃいます。スキンケアや日用品を中心に、「人と自然がともに健やかであること」を理念に掲げ、全国のお客様へ製品をお届けされています。
肩書きは統括マネージャーですが、社内では「なんでも屋」と呼ばれることもあります。カスタマーサポートや生産管理システム、販促チームのマネジメントに加え、人員配置やチーム間の橋渡し、会社全体の運営まで幅広く関わっています。
もともとは管理栄養士で、大学時代にハーブやハーブティーに熱中し、自分で化粧品をつくって肌が改善した経験がありました。その延長でオーガニックやヘルスケアに携わりたいと考え、ネオナチュラルと出合いました。
入社当時はスタッフがわずか4〜5人ほどで、社長夫妻と数名のメンバーによる小さなチームでした。ホームページ制作から発送作業まで全員で取り組み、手探りでブランドを育てていく日々でしたね。そこから徐々に人員が増え、現在は複数のチームを統括する立場となりました。
今のままではブランドが埋もれる。
この危機感が一番大きな課題でした

株式会社ネオナチュラル 統括マネージャー 御澤様
コロナ禍で大手やD2Cブランドが次々と通販に参入し、オーガニックも“当たり前”になりました。その中で、ネオナチュラルのブランドが埋もれ始めているのではないかと感じたのです。売上やブランド力の伸び悩みを前に、「ブランディングから見直さなければ」と考えるようになりました。
実は10年ほど前にもフォー・レディーさんに相談したことがあったのですが、当時はタイミングが合わず実現できませんでした。今回はようやくお願いできる段階になったと判断し、依頼しました。
フォー・レディーさんに期待したのは、客観的な視点からネオナチュラルを見直し、方向性を言語化していただけることでした。私たちは小さな組織で、社長の方針がわかりやすい一方、その時々の状況によって方向が揺れることもあります。そうした中で、外部の専門家と一緒に取り組むことで、全員が同じ目線でブランドの将来を考えられるのではないかと感じていました。
実際にカスタマージャーニーやペルソナ、戦略マップを作り上げるプロセスを通じて、「ネオナチュラルはどのような会社なのか」を改めて言語化することができました。さらに、グループインタビューで得たお客様の声を根拠に加えることで、単なる理想像ではなく、実態に基づいたペルソナを描くことができたのです。
加えて印象的だったのは、女性消費者の行動をしっかり踏まえて提案してくださる点です。以前お願いしたコンサルタントは、作り手のこだわりを前面に出す方向に偏りがちでした。しかしフォー・レディーさんは「まずはスキンケアとして気持ちよく使え、肌がきれいになることが大切」という視点を強調してくださいます。その上で農場やものづくりのこだわりといった付加価値を伝える──そのバランスが非常に信頼できました。
こうした取り組みのおかげで、社員一人ひとりが腹落ちして動けるようになり、社内での共通認識が大きく前進したと感じています。


フォー・レディーと共に制作したブランドブック。
初回購入時に商品同梱することで、ネオナチュラル様の想いをより深くお伝えする内容になっています。

ネオナチュラル(会社名)とNatures for(ブランド名)を象徴する “N”をかけ合わせたパッケージ。
美肌菌をイメージしたドットでNを形づくり、自然素材を思わせる色合いを用いることで、
心地よさと根幹からの美しさを支えるブランドの世界観を表現しました。
お客様との距離を縮めることを
大切にしています

お客様との距離を縮めることです。スキンケア効果だけでなく、ライフスタイルや腸内細菌の知識なども含めて情報をお伝えするよう心がけています。その際、堅苦しくなりすぎないようユーモアを交えることも大切にしていて、弊社社長からも「笑いを一つ入れなさい」と言われています。
例えばメルマガやサンクスはがきでは、“親しみやすさ”を意識して発信しています。
また、ブランドとしては「いつでも安心して戻って来られる存在」でありたいと考えています。スキンケアは一時的に他のブランドをお試しいただくこともありますが、また戻っていただけるような安心感をお届けしたいのです。お客様と共に製品を育て、応援していただける会社であり続けることを目指しています。
お客様同士がつながれる場をつくりたいと考えています。現在は農場に来られる方に限定されますが、今後はリアルイベントや体験の場を広げたいですね。新規のお客様にも「ここに入ると楽しい」と感じていただけるようなコミュニティを構築するために、フォー・レディーさんにもサポートをお願いしたいと思っています。
また、リトリート施設の拡大や新しい拠点づくりにも挑戦し、将来的には全国へと広げていきたいですね。お客様と共に土や自然を感じながら、ブランドを育てていければと願っています。