せっかく送付したサンプルが使われない―これは多くの通販化粧品企業が抱える共通課題です。実はその背景には、「商品力」だけでは解決できない“使われるための設計不足”があります。試用につなげるために必要なコミュニケーションの考え方と具体策を解説します。今回のコラムは、『日本流通産業新聞』2026年4月9日号に掲載された「強い通販化粧品会社になるために 基礎講座Q&A vol.125」です。ぜひご覧ください。

日本流通産業新聞
通販・ネットビジネス・健康食品・美容業界などの最新動向を専門的に取り上げる業界紙です。実務に直結する情報を多角的に発信し、多くのビジネス関係者に支持されています。
サンプルは「使いたくなる理由」と「迷わせない設計」で動く

担当者様
初回の購入特典や取り寄せなどに対応してサンプルを送付しているのですが、なかなか使っていただけないようです。どうしたら試用していただけるでしょうか?
先日、ある企業の方も、ちょうど同じお話をしておられました。サンプルをお送りしたものの、送付から1カ月経っているにもかかわらず、約50%のお客さまが未使用だったという調査結果が出たそうです。せっかくお申し込みいただいたのに非常にもったいないです。
しかし実のところ、私もいただいたサンプルを貯めこんでしまう時があります。というのも、様々な種類を取り寄せてしまい、サンプルの順番待ちになってしまっているのです。このように「後で使おう」「これがなくなったら使ってみよう」という気持ちでサンプルを保存している人は多いと思います。では、どうしたら「すぐにでも使いたい!」と思ってもらえるのでしょうか。
まずはサンプルをどのような形でお送りしているかです。他の同梱物の中にぽんと入れているだけになっていませんか。確かにコストは抑えられますが、お客さま側から見ると、そんな送り方では「使いやすい」ことにはなりません。気が付かず、長く放置されてしまいがちです。
では具体的にどのようなアプローチが必要でしょうか。使ってみたい!という気持ちに導くには、「納得させること」と「五感に訴えること」が肝になると思います。

「今使う理由」を伝えることで行動は変わる

サンプル段階ではお客さまはその商品がどんなものかよく知らないので、「今これをあなたが使う理由・推薦すべき内容」をきちんと説明する必要があります。商品の基本的な特徴をしっかりと説明することも大切ですし、季節によって起こる肌悩みに触れても良いでしょう。またこれを使っていれば将来こんな風になれるというイメージを示すことも効果的です。「この結果を早く手に入れたい!」と思わせるコミュニケーションを、プラスしてほしいのです。
また、初めて使う商品は、どれくらいの量を出せばいいのか、どの手順で使うものかなどを丁寧に説明しましょう。すぐに使いたい!と思っても、使い方を迷ってしまうとそこでストップしてしまいます。実践までにつまづいてしまいそうな要因は全て取り除くことが大切です。
そのような細かな情報提供があって初めて、アクションを起こしたくなる”納得感”へとつなげられるのです。
五感に訴える体験が“使いたい”を生む

もう一つ大切なのは、「五感の好感度」。パッケージデザインの良さや、パウチの開けやすさ、中身を取り出す際のスムーズさ、香りの良さなど、見て触れての感覚的な好感度を上げることです。特別感を感じさせるパッケージデザインで気分を盛り上げる演出をするのも必要でしょう。視覚・触覚で感じる心地よさ・ワクワク感を伝える工夫も、好印象を持っていただくために大切な要素となります。
サンプルは、お客さまと商品との初めての出会い。商品の良さとおもてなしの心がしっかりと伝わるようなコミュニケーションをしたいものです。

鯉渕登志子
サンプルを“配る施策”から、“使われる体験”になるよう、フォー・レディーは、顧客インサイトに基づいたコミュニケーション設計で、試用から継続までの流れを一貫して支援します。
















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