会報誌やDMに顔出しは有効?通販販促における人物登場の考え方

会報誌やDM、同梱物などの販促物に、愛用者や開発者、スタッフなどの人物写真を登場させるべきかは、通販化粧品企業にとって悩ましいテーマの一つです。人物の顔出しは、安心感や親しみやすさを生み出す一方で、ブランドイメージや世界観を保ちたい企業にとっては慎重に考えるべき要素でもあります。今回のコラムは、『週刊粧業』2026年5月11日号に掲載された「激変するコスメマーケットvol.118」です。ぜひご覧ください。

週刊粧業
化粧品、日用品(トイレタリー製品、石鹸洗剤、歯磨き等)、医薬品、美容業、装粧品、エステティック等を中心とした精算・流通産業界の総合専門紙として、日々変化する業界の最新動向を伝えています。

忙しい人向け|対談で学ぶ〝 化粧品通販_顔出しの信頼とノイズ〟

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通販販促で人物写真が使われる理由

会報誌やDMなどの制作依頼を受けると、登場する人物の写真について様々なご要望をいただく。「ご愛用者や開発者を登場させて、リアルな人物感をどんどん出していきたい」、あるいは逆に「人物は極力登場させずシャープな誌面イメージにしたい」という両極のもの。弊社ではそもそも「お客様参加型」を提唱しているので、かつてはお客様の登場を推奨することが多かった。

しかし現在は後者のご要望をいただくことも多くなった。どちらが正解ということはないのだが、化粧品に限らず通販業界では「人物登場」は多く採用されている。一方で、その登場のさせ方については、企業ごとに方針が分かれてきている。

そもそも通販ビジネスにおいて「人物を登場させる」ことは、どんなメリットがあるのか。制作者目線では「安心感」「親しみやすさ」「自分事化しやすさ」を与えるために登場してもらうことが役立つと考えている。メーカー側では、スタッフや開発者が顔出しで会報誌等に登場し、「どんな思いでこの商品を作ったのか」を語ったり、愛用者が「何が気に入っているか」を語ることを効果的だと思っているようだ。

特に化粧品の場合は、消費者が美容家のインスタライブやYouTubeチャンネルなどで商品へのコメントを視聴する機会も多いので、慣れているともいえる。健康食品も同様、愛用者が「これを飲むようになって自分の人生がどう変化したのか」を語る企画が多いが、通販ならではの不安を払拭するために役立っているのではないかと思う。

顔出しを避ける企業が重視するブランドイメージ

反対に「リアルな人物を極力出したくない」方針のところは、「特定のイメージを持たれたくない」「高機能性や高級感、世界観を保ちたい」「人間の生々しさを出したくない」などのブランディングやデザイン面での配慮が大きいようだ。確かにリアルな人間が登場することで、企業のイメージがその個人に紐づいてしまう恐れはあるのかもしれない。

人物感の存在をノイズに感じてしまうこともあるようだ。一般の方に登場してもらう場合は、個人情報を考慮した結果という場合もある。弊社ではプロセス写真などでさえも、「人物を登場させる」ことに抵抗がある企業様には、顔写真をイラストに変えるなど、デザイン面の工夫で懸念を払拭してもらうようにしている。

お客様に必要な情報を届けるための“人の気配”

化粧品は人の肌に塗布して使うものだからこそ、使い方の指導や見本が不可欠な商品だ。しかも購入する時だけではなく使い続けてもらう間にも永続的な伴走サポートが必要である。リアルな人間の気配を消すことは、ブランド戦略に基づくもので仕方がない面もあるが、やはり使い方やお手本としての人物画像がないことで、お客様が不便に感じたら元も子もない。

通販のコミュニケーションは、店頭での接客とは異なり、直接お客様と接することができないからこそ、対面以上のリアル感があるきめ細かな情報提供が必要なのではないか。お客様に必要な情報が届き難くなっている今だからこそ、やはり人間のリアルな存在感を大切にしていきたい。

株式会社フォー・レディー 代表
鯉渕 登志子

フォー・レディーでは、通販化粧品の会報誌やDM、同梱物などを通じて、お客様との関係づくりを支援しています。お客様に安心して商品を使い続けていただくためのコミュニケーション設計にお悩みの際は、ぜひご相談ください。

深掘りQ&A

顔出し写真を使うかどうかは、何を基準に判断すればよいですか?

その販促物でお客様に何を感じてもらいたいかを基準に考えることが大切です。
たとえば、使い方の不安を解消したい場合や、開発背景・愛用者の実感を伝えたい場合は、人物の存在感が有効です。一方で、ブランドの世界観や機能性を強く訴求したい場合は、顔出しを控え、手元・横顔・イラスト・商品カットなどで表現する方法もあります。

開発者やスタッフを登場させるメリットは何ですか?

商品そのものだけでは伝わりにくい開発背景・こだわり・お客様への想いを届けやすくなります。
特に通販では、店頭のように販売員が直接説明する機会が少ないため、「どんな人が、どんな思いでこの商品を届けているのか」が見えることは、ブランドへの信頼形成につながります。ただし、担当者個人に印象が寄りすぎないよう、ブランド全体のトーンに合わせた見せ方を工夫することも重要です。

ABOUT US
株式会社フォー・レディー 代表 鯉渕登志子
日本大学芸術学部卒業後、アパレル業界団体にてファッション経営情報誌の編集に携わり、カネボウファッション研究所を経て、1982年に株式会社フォー・レディーを設立。これまで手がけた化粧品・ファッション通販企業は180社を超えます。一貫して「女性を中心とした生活者ターゲット」に寄り添い、消費者の実感から発想することを信条としています。 「自分が使って心から納得できるものを届ける」というポリシーのもと、コンセプト設計からクリエイティブ制作までを一貫して行っています。また、日本通信販売協会などでの講演実績も多数あり、生活者視点のマーケティングを広く発信しています。

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