化粧品販売では、店頭・通販・訪問販売を問わず、販売員の接客力や提案力がますます重要になっています。美容情報を自ら調べ、成分や効果、価格とのバランスまで見極めるお客様が増えた今、求められるのは一人ひとりの肌悩みに寄り添うパーソナルな対応です。今回のコラムは、『週刊粧業』2026年6月15日号に掲載された「激変するコスメマーケットvol.119」です。ぜひご覧ください。

週刊粧業
化粧品、日用品(トイレタリー製品、石鹸洗剤、歯磨き等)、医薬品、美容業、装粧品、エステティック等を中心とした精算・流通産業界の総合専門紙として、日々変化する業界の最新動向を伝えています。
販売現場で求められるのは、商品説明を超えた接客力

店頭販売、通信販売、訪問販売など化粧品販売の業態に関わらず、最近、不可欠になってきているのは、販売時点での高度な接客力のようだ。単に販売すればよいという時代は終わりを迎え、お客様一人ひとりへのヒアリングはもちろん、自身の体験を交えながら共感を引き出すところまでが、販売者に求められるようになった。
さらに、肌診断機器やタブレット端末などを活用して、お客様自身の肌状態をデータで可視化し、「だからこの商品、このお手入れが必要」と根拠ある提案につなげる力も欠かせない。
そんな販売現場の状況を反映してか、このところ弊社にも販促品制作とは別に、「販売員用のマニュアル」の制作依頼が多くなった。
なぜこのように化粧品販売員のスキルアップが求められるようになったのか。その答えは「消費者が変化したから」に他ならない。コロナ禍以降、明らかに、そして急速に、お客様の消費行動は変化した。特に美容に関しては、一般消費者が多くの情報を取得できるようになったおかげで、「美容リテラシー1」が格段にレベルアップした。
何しろコロナ禍の時期を経て、スマホを使うことに抵抗がなくなった人が多くなり、情報収集力が向上した。企業側も、店頭販売各社は通販にも参入し、情報発信力が格段にアップしている。迎え撃つ通販会社も、通常であれば店頭販売会社の十八番である「顧客の体験価値」や、対応する販売員への「美容部員並みのスキル教育」等を充実させている。そこで改めて、これからの美容系販売員に求められる「お客様の要求」について考えてみよう。
通販でも、お客さま一人ひとりに寄り添う接客力をどう育てるか。
フォー・レディーが考える「美容部員化研修」について、こちらで詳しくご紹介しています。[通販スタッフに美容部員の視点を取り入れる方法]
お客様は、自分に必要な美容情報をすでに調べている

お客様の「美容リテラシー」が高くなったおかげで、どんなニーズが顕在化してきたのだろうか。まず、自分の肌悩みに必要なものは何かを考えて検索し、知識を得ている。その結果、自分の肌悩みを解決してくれるようなエビデンスのある成分までチェックしている。これまでは専門家しか言及しなかったような成分名まで知識のあるお客様が増えた。これも多くのお客様にヒアリングしていて感じることである。
さらにいろいろな商品を知り、いろいろな美容方法があることを知ったお客様は、「自分のニーズ」を意識するようになった。「自分が欲していることは他人と同じではない。自分用のスキンケアをしたい」ということを自覚し、その対応を求めているのである。これは弊社が多くの消費者にヒアリングをしている中で、ここ数年強く感じてきたことでもある。
これからは、「納得して選んでもらえる提案力」

お客様は誰のためでもなく「自分の肌のために必要なお手入れと化粧品」を求めている。つまり一人ひとりのお客様に「パーソナルな対応」をしなくてはならない。「自分のベネフィット」をきちんと認識しているお客様に対して、きちんと回答を出せるようなアドバイス力が無ければ、販売は成立しない。
最後には「価値と価格のバランス」である。物価高が続く中で、かつてはあまり目立たなかった「化粧品選びも価格に左右されること」が目立ってきた。単に安いものを選ぶという訳ではない。自分のニーズに最適で効果が期待できるものを「できるだけ安く買いたい」という買い物の工夫が、これも検索力のおかげでレベルアップしている。

以上の象徴的なお客様マインドの変化が、美容販売者のスキルアップが求められている要因だ。一人ひとりの接客レベルアップも必要だが、事業者側も「顧客接点場面」に強いバックアップ体制を整えることも不可欠になっているようだ。
通販に店販の接客力を取り入れたい企業様へ
スタッフ研修や美容マニュアルの制作など、貴社の体制や課題に合わせてご提案します。

鯉渕 登志子
販売力を高める第一歩は、貴社のお客様を深く知ることから。フォー・レディーでは、顧客調査・分析を通じて、お客様の本音やニーズを可視化し、接客・販促・CRMに活かせる顧客視点のご提案を行っています。
用語解説
- 美容リテラシー-美容に関する情報を自分で調べ、成分や効果、使い方などを理解して選ぶ力のこと。 ↩︎
















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